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設計・見積り実例

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ホーム > 設計・見積り実例 > 雨漏り補修実例 その1

雨漏り補修実例 その1

2022年掲載

ずさんな施工で全周から雨漏り。躯体まで腐朽し、外壁全面改修へ

  • 劣化対策

物件概要

  • 所在地静岡県浜松市
    築年数築26年
    構造種別1階鉄骨造、2・3階木造軸組在来工法
    リフォーム対象面積外壁面積:384m2
    工期設計:約4カ月 工事:約5カ月
    工事費総計15,730,000円(税込)
    概算単価40,000円/m2(税込)

リフォームに至った経緯

築25年が経過した2020年秋に、(有)第一浜名建装へ雨漏り修理の問い合わせがありました。新築の引き渡し後まもなく雨漏りが発生したとのことで、この住宅を建築した事業者が、何回か足場を掛けて何かしらの作業をしたものの、雨漏りが改善することはなかったとのことです。
築10年を超えてからは雨漏り修理は有償となり、数回にわたりこの事業者に工事費を支払ったとのことですが、2020年になって事業者 から「自分達の手に負えないので、どこかで直してもらってほしい」と伝えられたとのことでした。
今回の問い合わせは、ご近所の方が同社で6年ほど前に雨漏り修理を行ったお宅の友人だったという偶然と、その方に「とうとう雨漏り修 理も断られた」と話しをしたことがきっかけで、同社に問い合わせをしてみたらどうかと助言を受けたためとのことでした。築25年、降雨時の風向きにもよるものの建物のほぼ全周から雨漏りが起きていること、室内で確認される天井や壁のシミ範囲や濃さ、用いられている外壁材の種類などから「ピンポイントで雨水浸入原因を特定したとしても、経年も含めた躯体の状態などを想像すると、全周の外壁張替えを行いながら躯体の補強も必要」との見解を伝え「建て直しなども考えながら、今後の生活設計について家族で話し合ってほしい」と同社が依頼者に伝えたところ、修理を行いたいとの返答があり、改修を行うこととなりました。

   

雨漏りの原因

雨漏りの原因として、外壁がタイル張りの乾式工法だったものの、窯業下地材が直張りとなっていたことや、二次防水となる下地防水シートに、瓦葺きに一時期用いられていたビニル系防水シートが張られていたこと、かつ、サッシまわりに防水テープなどは無く、浸入水が外壁材裏面において滞留しやすく、防水シート端部より躯体側へ容易に浸入してまう状態だったことが挙げられます。さらにビニル系シートであるために結露水の滞留などを起こし、被害を拡大させていました。
過去の補修履歴としてみられたのは、窯業下地材の縦目地ならび水平重なり部分にシーリング打設がなされていたのみでした。さらに、躯体の出幅がバラバラで、4寸柱、3.5寸柱、3寸間柱が混在しており、下地の面が通っておらず凸凹していました。

   

リフォーム工事の概要

以上のことからも、雨水浸入により被害を受けた躯体などの補強や周辺の断熱材交換などを行いながら、厚みの違う胴縁にて下地の面を揃えた上で二次防水である透湿防水シート貼りを行いました。
また、シャッター付サッシが用いられていた部分でもシャッターケースがサッシフィン(サッシのつば)よりも外に張り出しており、透湿防水シート端部がサッシと一体化するのが困難な形状だったことや、このシャッターケースの設計が悪いためか、ケース本体への雨かかりでも雨漏りをしていたことが分かったため、シャッター付サッシは全て交換することになりました。
雨漏り修理のほかに、施主より玄関や勝手口ドアの取り替えなどの要望もあり、同時にその交換工事も行いました。

   

リフォーム工事の効果

何度も修理したにもかかわらず一向に雨漏りがなくならなかったのに、同社でしっかり改修したことで雨漏りの心配のない生活が送れていることに心から安堵されているとのことです。
この修理を行うに当たり、何回も費用について同社と施主で話し合いを行ったそうですが、元々の建築事業者が雨漏りを起こすようなずさんな工事を行っており、かつ自分たちで修理ができないばかりか、修理費用を施主に請求するようなことをしていたとお聞きし、そのような非常識なことが行われていることに、強く異議を伝えられなかった施主に同情するとともに、そのようなことができる事業者の意識を疑う事例であります。

   

リフォーム前・施工中

  • 外観

    外観

  • 浸入水が滞留

    サッシまわりに防水テープなどは無く、
    浸入水が外壁材裏面に滞留

 
  • シーリングのあと

    新築した業者が修理したとみられる
    シーリングのあと

  • ずさんな笠木の納まり

    すさんな笠木の納まり

 
  • 窯業下地材が直張り

    外壁がタイル張りで乾式工法だったものの
    窯業下地材が直張り

  • 壁装内の雨染み

    壁装内雨染み

 
  • ずさんな施工のあと

    ずさんな施工のあと

  • 雨水により朽ちた柱

    雨水により朽ちた柱

 
  • 面の合っていない下地

    面の合っていない下地

  • サッシまわり腐朽

    サッシまわり腐朽

施工中/施工後

  • FRP防水表面の研磨

    FRP防水表面の研磨
    (トップコート除去および目粗し)

  • 屋上防水層の改修 FRP防水

        屋上防水層の改修 FRP防水

 
  • 外壁の張替え

    外壁の張替え

  • 外壁のシーリング施工

    外壁のシーリング施工

 
  • 施工後全景

    施工後全景

  • 施工後玄関まわり

    施工後玄関まわり

 
 

科目内訳

No. 名称 金額(円) 概算単価(円/m²) 構成比(%)
1 仮設工事 467,400 1,217 3.3
2 アルミ撤去工事 168,800 440 1.2
3 電気工事 480,000 1,250 3.4
4 外壁工事 5,692,800 14,825 39.8
5 防水工事 926,200 2,412 6.5
6 ドア・窓工事 2,092,287 5,449 14.6
7 アルミテラス工事 996,180 2,594 7.0
8 笠木工事 564,797 1,471 3.9
9 室内工事 368,000 958 2.6
10 その他 1,253,000 3,263 8.8
11 諸費用 1,300,000 3,385 9.1
合計 14,309,464 37,264 100
出精値引き -9,464  
改め計 14,300,000
消費税(10%) 1,430,000
総計 15,730,000

概算費用は、リフォーム面積 外壁384m2で計算

最終更新日:2023-11-13