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設計・見積り実例

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雨漏り修理実例 その1

2025年掲載

玄関屋根外壁取り合い部の不備による雨水浸入の改修

  • 劣化対策

物件概要

  • 所在地岐阜県関市
    築年数築11年
    構造種別木造軸組在来工法
    リフォーム対象面積補修面積:約83.6m²
    工期設計:約0.5カ月 工事:約1カ月
    工事費総計3,611,828円(税込)
    概算単価43,000円/m²(税込)

リフォームに至った経緯

2階居室の壁にシミらしき痕と、1階和室の壁入隅部分にカビのようなものが見えるということから雨漏りを疑い、さらに床鳴りや、クロスの浮きもあるため、建物が傾いているのではないかと思うようになったとのことでした。

 この家を建てた事業者はすでに倒産してしまっており、友人に相談したところ、瑕疵保険(住宅瑕疵担保責任保険)の存在を知るに至り、瑕疵保険会社へ相談されました。

 瑕疵保険会社では、構造事故と雨漏り事故の可能性ということで事故受付を行い、瑕疵保険会社検査員による現地構造検査を行うと同時に、雨漏りについても適切な調査が必要であろうと判断し、第一浜名建装へ調査依頼がありました。

雨漏り調査

竣工時の図面と、目視調査から雨水浸入位置を予測し散水調査の計画を策定、日を改めて足場をかけずに梯子を用いて散水調査を行いました。
結果的に、施主の指摘した箇所(2階居室、1階和室)ではなく、まったく別の場所(玄関部の屋根と外壁との取り合い部分)に雨漏りの可能性が高い事象がみられました。

施主が指摘した箇所のうち、1階の和室の入隅付近では、周囲の外壁や直上の2階、屋根部においても雨漏りによる変色などの痕跡が見られないため、室内の湿気などによるものと判断しました。

次に、2階居室の壁にあるシミについて、小屋裏から確認を行いましたが、屋根面および外壁面に施工された吹付断熱材(図面上ではグラスウールによる天井断熱であった)と、天井下地(石こうボード)にも濡れた痕跡はみられませんでした。
小屋裏から、当該壁を確認すると石こうボードではなく合板が使用されていることが判明。
表面の含水率を測定したところ(シミの有無にかかわらず)一律であったため、合板のアクの滲み出しによるものと判断しました。

以上の結果を調査報告書としてまとめ提出しましたが、その後修理を引き受けてくれる会社が一年以上見つからなかったため、施主から改めて依頼され、第一浜名建装で修理まで請け負うこととなりました。

雨漏りの原因

散水調査では玄関部周辺の基礎への試験水の流下がみられたため、まずは土台部を確認。透湿防水シートと土台水切は正しく施工されていたこと、目視調査で玄関部の屋根と外壁取り合い部にもコケが確認されていたことから、この取り合い部が雨水の浸入口であると推測しました。
当該箇所を詳細に確認すると、壁止まり(雨押え)役物が施工されておらず、シーリングのみで止水されていたこと、さらに二次防水としてのルーフィングのおさまりにも瑕疵がある可能性と、外壁部への散水においても基礎への流下があったことから透湿防水シートにも瑕疵がある可能性が考えられました。

リフォーム工事の概要

工事を開始し外壁材を撤去していくと、先に解体を始めたパラペット端部にて、柱や胴縁の腐朽と透湿防水シートの劣化が見られました。
目視調査時点でも、窯業系サイディングの表面劣化が気になっていたとのことですが、浸入した雨水によって劣化が促進したものと考えられます。
腐朽していたパラペット端部の柱については、幸いなことに構造強度に影響を与えるほど腐朽していなかったため、梁から上を交換することとしました。

さらに、玄関の屋根と外壁の取り合い部を解体したところ、やはりルーフィングの捨て貼り等の適切な防水が行われておらず、透湿防水シートの裏面への雨水浸入も確認できました。
二次防水に瑕疵があったことから、今回解体した部分以外にも、瑕疵の可能性があることも考えられること、その抜本的な解決策として外皮の全面張替えも考えられることを伝えたうえで、築年数が浅いこと、散水調査では他の箇所に今のところ不具合が見られないことから、今回は玄関部を含めた東面のみの補修とし様子を見ることを提案し、了承されました。

新たに施工する透湿防水シートは、既存のシートを浮かせて可能な限り重ね幅をとったうえで躯体側へ張り、既設と同意匠の外壁サイディングで仕上げています。
屋根と外壁の取合いでは、改質アスファルト系防水シートで捨て貼りした上で、壁止まり(雨押え)役物を設置しました。
また、吹付による屋根断熱であったため、屋根側に通気層を設けなければ結露リスクが高まると考え、簡易的な屋根通気工法となるよう通気部材を用いて、鋼鈑たて平葺き屋根を施工しています。

  • 現況外観

    現況外観

  • 2階洋室壁面のシミ

    2階洋室壁面のシミ
    壁下地は合板張り。雨シミではなく、合板のアクである可能性が高いと判断

  • 基礎コケ部分状況確認

    基礎コケ部分状況確認

図面


施工中

  • 外壁解体

    外壁解体

  • 透湿防水シート撤去

    透湿防水シート撤去

  • 透湿防水シート状況

    透湿防水シート状況

  • 柱・梁材・面材の腐朽

    柱・梁材・面材の腐朽

  • 外壁解体 パラペット部分腐朽

    外壁解体 パラペット部分腐朽

  • パラペット部分交換

    パラペット部分交換

  • 下屋根外壁取合い 捨て貼り補修

    下屋根外壁取合い 捨て貼り補修

  • 屋根 野地板増し張り パラペット部分面材交換

    屋根 野地板増し張り パラペット部分面材交換

  • 屋根 金属屋根葺き

    屋根 金属屋根葺き

  • 2次防水完了

    2次防水完了

  • 外壁サイディング張り

    外壁サイディング張り


  • 下屋根外壁取合い

    下屋根外壁取合い

  • 完了

    完了

科目内訳

No. 名称 金額(円) 概算費用(円/m²) 構成比(%)
1 仮設工事 248,000 2,967 7.6%
2 解体・撤去工事 590,000 7,057 18.0%
3 下地工事 432,600 5,157 13.2%
4 屋根工事 176,000 2,105 5.4%
5 外壁工事 1,028,600 12,304 31.3%
6 その他 380,000 4,545 11.6%
7 諸費用 428,280 5,123 13.0%
合計 3,283,480 39,276 100%
消費税 328,348  
総計 3,611,828 43,204

概算費用は、リフォーム面積 外壁83.6m²で計算

最終更新日:2026-03-11