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設計・見積り実例

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ホーム > 設計・見積り実例 > 雨漏り補修実例 その1

雨漏り補修実例 その1

2023年掲載

北側外壁面のコケやカビが気になるも、西面にも雨水浸入が。 一部外部タイル張替えと塗り替え工事で対応。

  • 劣化対策

物件概要

  • 所在地静岡県浜松市
    築年数築18年
    構造種別木造軸組在来工法
    リフォーム対象面積外壁面積:142m²
    工期設計:約1カ月 工事:約1.5カ月
    工事費総計2,915,000円(税込)
    概算費用20,000円/m²(税込)

リフォームに至った経緯

お施主様のご友人が15年ほど前に雨漏り修理および塗り替え工事を第一浜名建装で行い、安心して任せられると今回ご紹介がありました。

お施主様は、建物北側外壁面のコケやカビを気にしており、塗り替え工事を行うことで、きれいにしたいという要望でした。しかし、現況の確認を行うと、確かにコケやカビは多いのですが、コケやカビは北面に集中していました。

一方で、西面の基礎に一部灰汁のようなものが流下した痕跡があり、タイル張り外壁材の納まりも含め総合的に調査しました。その結果、雨水浸入の可能性が高いという判断に至りました。

そこで、タイル張り外壁部分の解体・撤去による雨漏り修理の提案を含めた、外壁の総合的な改修工事の提案を行いました。

  • お施主様が当初気にしていた北面の外壁のカビとコケ

    お施主様が当初気にしていた北面の外壁のカビとコケ

  • 調査時に気がついた西面基礎の灰汁のような流下後

    調査時に気がついた西面基礎の灰汁のような流下後

雨漏りの原因

工事を開始し、外壁材を撤去すると、3×10板の上に窯業タイルが張ってあり、このタイル下地に外壁材の水平目地が隠れていることが分かりました。

外壁材の長さ(高さ)から、必ず1、2階の中間に水平方向の継ぎ目ができるのは仕方がないことですが、目地部分をシーリング打設で納めるのか、中間水切りで納めるのかは、意匠性のみで判断されるところです。

今回の現場では、水平目地がシーリング打設となっていましたが、経年劣化により雨水浸入を許していたことや、水平目地より上方のサッシ周りのシーリングが破断していたことから、ここからも通気層に雨水浸入が起きていました。そして、縦張り外壁であるため胴縁が横胴縁になっており、このため浸入水が堰き止められて滞留し、透湿防水シートを越えて躯体側へ影響していたことが分かりました。

この浸入水により、構造面材を腐らせ、さらに内部の柱や梁にも影響を及ぼしたことで、木材部分に滞留した水が土台に至り、基礎部分へ流出したのが灰汁の流下痕の原因でした。

また、外壁材自体の1、2階の仕上げ面は均一となりますが、外壁中間部分からタイルを張ることにより、タイル上端部分は直接的な雨がかりがあり、この部分も雨水の受け口となっていたことが被害を大きくしていた要因の一つでした。

一応、横胴縁の長さがあまり長くならないようにして、浸入水や通気を確保すべく部分的に空きを作ってはいたものの、シミの様子から期待した効果は表れていないことも分かりました。

リフォーム工事の概要

修理に際し、お施主様の要望から外壁材が縦張り仕様になったため、通気胴縁を使用し、釘部分に5㎜のスペーサーを入れることにより、最低限度ではあるものの通気の確保を行うと同時に、浸入水などが堰き止められにくいように細工を行ってみました。この外壁張替え部分以外については、塗り替えによって対応しました。

ただし、塗り替え部分の外壁材は、図面の仕様書ではアクリルリシン吹付となっていましたが、実際にはリシンの珪砂ではない骨材を配合した塗料が用いられていたため、一般的な塗料を塗り重ねた場合、熱膨れなどが懸念されることから、透湿性の高い塗料により、あまり膜厚を付けないことを意識した工事となりました。

リフォーム工事の効果

お施主様が気になっていた北面のカビやコケもなくなり、きれいになったことで喜ばれていると同時に、その原因が解消されたことに安堵されているとのことです。

リフォーム前・施工中

  • 外観

    外観


  • タイル下地に外壁材の水平目地が隠れていた

    タイル下地に外壁材の水平目地が隠れていた


  • 外壁材をはがした後

    外壁材をはがした後

  • サッシ周りのシーリングも破断していたため、雨水が通気層に浸入

    サッシ周りのシーリングも破断していたため、雨水が通気層に浸入


  • 防水紙をはがした後

    防水紙をはがした後


  • 横胴縁のため、浸入水がせき止められ滞留し、躯体側も湿潤状態に

    横胴縁のため、浸入水がせき止められ滞留し、躯体側も湿潤状態に

施工中

  • 横胴縁の長さが長くならないようにして、通気を確保するべく部分的に空きをつくってはいたものの、効果はあまりなかった

    横胴縁の長さが長くならないようにして、通気を確保するべく部分的に空きをつくってはいたものの、効果はあまりなかった

  • 外壁の防水紙をはがした後カビも見られる

    外壁の防水紙をはがした後カビも見られる

  • 外壁の塗り替え

  • 外壁の塗り替え2


  • 外壁の塗り替え。元の図面の仕様書はアクリルリシン吹き付けと記載されていたが、リシンの硅砂ではない骨材が配合されている塗料であった。この場合、一般的な塗料を塗り重ねると、熱膨れなどが懸念されるため、透湿性の高い塗料とした

リフォーム後

  • 一部タイル張りだった箇所は、サイディングへの張替えとした

  • 一部タイル張りだった箇所は、サイディングへの張替えとした2


  • 一部タイル張りだった箇所は、サイディングへの張替えとした

科目内訳

No. 名称 金額(円) 概算費用(円/m²) 構成比(%)
1 仮設工事 350,000 2,465 13.2%
2 西側外壁一部張り替え工事 969,200 6,825 36.5%
3 防蟻工事 227,000 1,599 8.5%
4 シーリング(コーキング)工事 169,400 1,193 6.4%
5 塗装工事 700,120 4,930 26.3%
6 諸費用 241,572 1,701 9.1%
合計 2,657,292 18,713 100%
出精値引き △ 7,292  
改め計 2,650,000
消費税(10%) 265,000  
総計 2,915,000 20,528

概算費用は、リフォーム面積142m²で計算

最終更新日:2024-10-08