GUIDE
「UFO-E」は、東洋大学工業技術研究所と共同で開発された免震パッキン。
「エンプラUFO-E」は、素材に金属の代替とされるエンジニアリングプラスチックの中でも摩擦に強い「変性PPEガラス繊維補強」を採用。
従来品である亜鉛合金製のUFO-Eと比べて熱伝導率が低く、寒冷地でも使用できる。
また、圧縮強度は檜土台めり込み強度の30倍以上、コンクリートの5倍以上、PP材の土台パッキンの2倍以上となっており、熊本地震でも本製品を採用した住宅の被害はゼロと効果の高さを立証している。
2023年1月現在、全国27,410棟で採用されている。
[地域別内訳]
•東北•北海道……749棟 | •関東 ……… 5,073棟 |
•甲信越……………664棟 | •中部 ……… 3,317棟 |
•関西…………… 3,459棟 | •中国 ……… 3,948棟 |
•四国…………… 2,080棟 | •九州 ……… 8,119棟 |
キラーパルスが免震構造に与える影響
阪神・淡路大地震、熊本地震、トルコ地震などは、地震発生時の2段破壊などによる二度目の大きな地震で発生したキラーパルス(1~2秒の周期)が、大量の建物破壊を引き越した。
熊本地震の震源地区の調査では、2000年以降の新築建物の40%が損傷したと報告されているが、これらの中には耐震等級3の建物、制振ダンパー構造なども含まれていた。
前述の3つの地震には長周期パルスが含まれていたため、免震構造にも被害が及んだと考えられる。
特に耐震構造、制振ダンパー構造は、2段破壊などによる2度の地震で、最初の地震動で構造材にストレスを受け、変形角が弾塑性限界1/120rad を超える可能性があり、固有周期を超える1~2秒の塑性域でキラーパルスの共振増幅に見舞われ、極限設計値の1/30rad を超えて構造材に損傷を受けたと推察される。
地震倒壊メカニズムの解剖により誕生した「UFO-E」
「UFO-E」は東洋大学工業技術研究所とSMRC㈱の共同研究により開発されたものだが、背景には地震倒壊メカニズムの徹底した研究がある。
デバイスのスライド効果、摩擦とアンカーボルトのバネによる免振効果により応答加速度が小さくなり、スライド幅を5ミリ前後に拘束することで地震周期と一致しないランダム波になり共振増幅がなく、キラーパルスにも共振しない。
阪神・淡路大地震、熊本地震の地震動を分析
阪神・淡路大地震および熊本地震本震では、共振で地震動が2倍以上に増幅した。
筑波大・境教授の地震動分析(2)
2016.4.16 益城町 加速度応答スペクトル比較
地震倒壊メカニズムを徹底解剖
①柱の傾斜(層間変形角)が大きくなると倒壊(黄色~赤)
②共振(地震周期≒建物周期)は応答加速度(応答変位)を増幅させ倒壊
③層間変形角が大きくなると周期も大きくなる(1~2秒)(黄色)
→キラーパルスの脅威=大量建物倒壊(阪神・淡路大地震、熊本地震)
筑波大・境有紀教授の1995年兵庫県南部地震地震動分析(日本地震工学学会誌:第9号 2009年1月)
従来の住宅制振ダンパーは、ゴムの揺れ(変位)に不安があり、ブレース(筋交い)で変位を止めている(近年の制振ダンパーは、剛性を上げ壁倍率認定を受けて耐震化している)。
これに対してUFO-Eは、土台下の小さなスライドは応答が小さくなるので、層間変形角は常に安全範囲となる。
カーボンニュートラルへの寄与とスライドの摩擦の持続性、免振効果の安定性の向上のために、「エンプラ変性PPE」を免振デバイスとした「エンプラUFO-E」を商品化した。
【「亜鉛合金UFO-E」からの主な変更点】
①スクリュー座金に対応、②材質、形状を改良することにより性能が向上、③アンカーボルトに設置する必要がなくなり、施工性・メンテナンス性が向上、④4号建物など長期軸力資料がない場合は、梁せいから軸力を推定できる「梁せい軸力換算法」のエクセルテンプレートを提供
「wallstat(ウォールスタット)」は、耐震倒壊メカニズムを見える化した建物倒壊シミュレーションソフト。
UFO-Eのパラメーターデーターは、(一社)耐震性能見える化協会のデータベースの「制振装置」および「金物」に登録され、wallstatで利用できるようになっている。
2016年に起きた熊本地震の際に、「UFO-E」を採用した益城町の住宅の建築現場において、損傷が全くなかったことが確認された。
施工途中の現場は損傷の危険性が高いが、作業棚の機材、脚立などが倒れることもなく、地震から1週間後には作業を再開させることができた。
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上記の内容は、登録企業・団体からの申請に基づき掲載しております。
最終更新日:2023-12-22