「木造住宅建築費指数」は、木造住宅の建築費についてその価格変動を総合的にとらえることを目的とした指数です。当会発行の「積算資料ポケット版住宅建築編」に掲載の資材等単価から算出した木造住宅1棟当たりの建築費用※を指数化しています。本指数で対象としている建築費は、工務店(元請)の諸経費を含んだ施主(注文者)への提示価格であり、年々変化する木造住宅工事の内容に対応した建築費の動向を把握するための指数として、戸建て住宅の取引に関わる方に参考としていただくことを目的としています。
- ※ 本体工事費(付帯工事や土地取得費用は含まず)
- ◎「木造住宅建築費指数」の概要は、ページ下部の【木造住宅建築費指数の仕様】をご参照ください。
木造住宅建築費指数の動向
Trends in the Wooden House Construction Cost Index
【概況】
木造住宅建築費指数の基礎データである建築費は、2009年に約1,708万円(延床坪単価56.8万円)となって以降、毎年1%程度の緩やかな上昇にて安定的に推移し、2021年には約1,996万円(同66.4万円)となった。この間の建築費の上昇は288万円であり、2009年を100とした木造住宅建築費指数は、2021年までの12年間で16.8ポイント上昇した116.8となっている。
しかし、コロナ禍の収束とともに建築資材価格は高騰。その影響が波及したことで、建築費は2022年には1年で10%超の急騰となり2,208万円(同73.4万円)まで上昇。以降も人件費の上昇等を背景に年2%を超える伸びで推移し、最新の2025年調査では建築費は2,393万円(同79.6万円)となった。2021年からの4年間で建築費としては397万円の上昇となっており、この結果、2025年の木造住宅建築費指数も140.1と過去最高を更新。2021年からの指数の上昇幅は23.3ポイントを示しており、コロナ禍を境に建築費の上昇傾向が鮮明になっている。
木造住宅建築費指数の推移
Historical Changes in the Wooden House Construction Cost Index
木造住宅建築費指数
内訳費目ごとの推移
Breakdown of Cost Components in the
Wooden House Construction Cost Index
【費目別動向】
- 2025年の「Ⅰ.建築工事指数」は143.4で前年から3.1ポイント上昇、「Ⅱ.設備工事指数」は131.6で同4.7ポイント上昇した。
- 内訳費目で5.0%以上の上昇を見せたのは、「Ⅰ-5 板金・樋工事」、「Ⅰ-9 断熱・気密工事」、「Ⅰ-11 内装工事」、「Ⅱ-3 電気設備工事」、「Ⅱ-4 換気設備工事」で、いずれも資材価格、施工費の上昇を要因としている。
- ほぼすべての費目で前年より上昇しているが、上述した5費目以外では、施工費の上昇が主要因となっている。
凡例
木造住宅建築費指数の仕様
Specifications of the Wooden House Construction Cost Index
- 『積算資料ポケット版 住宅建築編』に掲載の資材等単価(当会調べ)から算出した木造住宅一棟の建築費用を指数化
- 建築費用は、工務店(元請)の諸経費を含んだ施主への提示価格
(付帯工事、土地取得費用は含まず) - 延床約30坪の総二階の試算プランを用いて断熱等性能等級4(省エネ基準)を満たす仕様で建築費を試算
【試算プランの詳細】- 屋根
- 化粧スレート葺き
- 外壁
- 窯業系サイディング
- 外部建具
- アルミ樹脂複合サッシ+Low-Eガラス
(2017年まではアルミサッシ+複層ガラス) - 設備機器
- 汎用グレード
- 基準年:2009年=100
- 対象地区:東京近郊エリア

