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設計・見積り実例

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築56年の空き家をSOHOにスケルトンリフォーム

2021年掲載

耐震、耐久、断熱性の向上と快適性を実現

  • 耐震
  • 断熱
  • ワークスペース

物件概要

  • 所在地東京都文京区
    築年数築56年
    構造種別木造在来軸組工法(2階建て)
    建築面積20.50m²
    リフォーム対象面積41.00m²
    工期設計:約1.5カ月/工事:約4カ月
    工事費総計15,909,745円(税込)
    概算費用388,000円/m²(税込)

リフォームに至った経緯

築56年の空家をサテライトオフィスとして活用したいとの施主からの要望を受け、計画を開始。
老朽化しているだけではなく、基礎にはひび割れ、2階には傾きが見られたことから、耐震診断を行ったところ、評点は0.31という結果に。
接道義務を満たしていないことから、建て替えを断念し、耐震性に加えて、快適性の向上を含めた全面改修を選択されました。

リフォーム工事の概要

基礎は炭素繊維シートによる補強を行い、基礎立上りの低さを補うため、基礎立上りから土台にかけて防水工事を施しています。
構造体は腐朽が激しく、段階的に解体、補強を行っています。
外壁から屋根・サッシに至るまで全てを刷新する中で、 外壁と屋根に通気層を確保することで、建物の耐久性を高めています。
外周部には無機系耐力面材を使用し防火仕様を満たした上で、耐震性を確保しています。
断熱改修については、高性能グラスウールを屋根に200㎜、壁に100㎜充填、床はフェノールフォームを66㎜敷設、外部建具はアルミ樹脂複合防火戸+Low-E複層ガラスを採用し、ZEHレベルの断熱性能となっています。

リフォームの効果

耐震診断の結果、評点は1.46まで向上。
耐震、断熱の性能向上リフォームにより安心と快適性を実現。
和紙クロスや木のぬくもりを感じられる内装に、仕事も捗るとの評価をいただいている様子です。

図面

リフォーム前

  • 浴室と台所
    設備関係の劣化が激しい

  • 外観(北側)
    隣家との間は最大で600mm

施工中











  • 土台と柱が腐朽し、北側の土台はほぼなくなっていた。柱が下がり、2階床は3/ 1000 以上傾いていただけでなく、2階に人が乗るとわずかながらも揺れを感じる状態。腐食の原因は、蟻害ではなく、雨水の浸入によるもので、特に土台は基礎高さの不足により浸水していた可能性が高い。



  • ①腐朽した柱と土台を撤去

  • ②2階床を支持するために、応急処置として柱を根継ぎ

  • ③2階床を支持するために仮筋交いを設置

  • ④仮筋交いをやり替えながら、段階的にジャッキアップを行う

  • ⑤柱が持ち上がったところで、土台をやり替え

  • ⑥柱のやり替えも完了



  • ひび割れ部にはエポキシ樹脂を注入し炭素繊維シートで補強
    土台も含めて防水処理を施している

  • 防蟻処理後に防水シートを施工
    土台の水平が取れていないため、際根太で調整

  • フェノールフォーム66mm厚
    24mm厚構造用合板で下地張り

  • 高性能グラスウールを施工(屋根200mm、壁100mm)
    防湿気密シート、気流止めの施工で気密性を確保

  • ルーフィングの上に通気垂木を施工し通気層を確保、屋根の耐久性を向上

  • 屋根の仕上げはガルバリウム鋼板
    外壁には通気胴縁を施工し、外壁通気工法としている

リフォーム後










  • 補強のため新たに設置した梁は梁成が高くなったため、あらわしとして、木に包まれる空間を演出。スタンディングカウンターを設け、立ちながらの作業にも対応。

  • 二階居住スペースにはキッチン、シャワーブースを設置

  • くつろぎの空間としての和室
    欄間部分には収納を設け、鴨居を延長することで壁面デザインのアクセントに

科目内訳

No. 名称 金額(円) 概算単価(円/m²) 構成比(%)
1-a 仮設工事 753,000 18,366 5.0
1-b 解体工事 1,138,668 27,772 7.6
1-c 土、基礎工事 926,610 22,600 6.2
1-d 木工事 3,585,726 87,457 24.0
1-e 屋根・板金工事 1,063,016 25,927 7.1
1-f 金属工事 306,424 7,474 2.1
1-g 金属製建具工事 846,259 20,640 5.7
1-h 木製建具工事 329,150 8,028 2.2
1-i ガラス工事 47,210 1,151 0.3
1-j タイル工事 62,400 1,522 0.4
1-k 塗装工事 181,553 4,428 1.2
1-l 内装工事 487,179 11,882 3.3
1-m 家具工事 379,355 9,253 2.5
1-n 防水工事 240,000 5,854 1.6
1-o 雑工事 135,360 3,301 0.9
2 電気設備工事 757,685 18,480 5.1
3 給排水衛生設備工事 1,422,177 34,687 9.5
4 空調換気設備工事 445,890 10,875 3.0
5 ガス配管工事 204,344 4,984 1.4
6 外構工事 48,000 1,171 0.3
7 設計料 220,000 5,366 1.5
8 諸経費 1,358,002 33,122 9.1
合計 14,938,008 364,342 100
端数処理 △206,763  
改め計 14,731,245
消費税(8%) 1,178,500  
総計 15,909,745

3つの工事内訳書を各項目に振り分けて、内訳を作成

概算費用は、リフォーム面積41.0㎡で計算

コストについて

躯体の補修も入念に行ったスケルトンリフォームのため、構成比は新築工事と変わらない結果となりました。
断熱工事やアルミ樹脂複合サッシの採用など断熱性だけでなく、外壁、屋根面に通気層を設け、耐久性も向上しています。

最終更新日:2022-12-06